ハピネス薬局

高齢者医療における漢方の役割

高齢者医療と漢方

株式会社ツムラ 上田雅之

ほぼほぼ、在宅医療のときと被るトピック。

漢方の医療体系が生体の活力を増し、元気の衰えを改善する方剤を有する。
 → 補剤。

高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015では、5つの処方。
抑肝散、半夏厚朴湯、大建中湯、麻子仁丸、補中益気湯。

抑肝散
レビーにもよく効くが、レビーは感受性が高いのでSEに要注意。
BPSDでは基本的に2/3程度(分2)から開始、効果は服用2週間で現れ4週間でプラトー。
それ以上用いても変化なければ中止。
嚥下障害がある場合は、オレンジゼリーに混ぜると比較的服用しやすい。
長期に使われることが多いので低K血症のSEが多い。
幻覚、妄想、焦燥、攻撃性など鎮静効果。
アパシー、食欲不振など元気のない場合は、人参養栄湯(108)
アルツハイマーのBPSDの前期(不安、抑うつ、意欲減退)が人参養栄湯。
中期(幻覚、妄想、興奮など)が抑肝散。

半夏厚朴湯
脳卒中、パーキンソン病患者において、誤嚥性肺炎。
1日常用量(分3)から始め、約2週間で効果が出るので、2/3(分2)で継続。
効果があるのは服用している間だけ。
GERDが原因の誤嚥は茯苓飲合半夏厚朴湯ないし六君子湯。
排ガスが見込めるので、腸管ガスが充満し、食物の逆流が起こる場合に、大建中湯と併用。
動悸、めまい、不眠にも使う。

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