名 称
薄荷 (ハッカ)
Latin Name
Menthae Herba
基 原
シソ科ハッカなどの地上部
分 類
辛涼解表薬
中 医 学
疏散風熱・清利咽喉・透疹
用 途 等
軽い感染症
薬理作用
鎮痙 運動抑制作用・末梢血管拡張作用・利胆作用・抗アレルギー作用・鎮痛作用
能書・説明
薄荷 ハッカ
我が国へは中国から医薬として伝わり、1817年岡山県で油原料としての栽培が始まっている。北海道での栽培は1891年山形県から種根を移入して栽培が開始され、生産地として固定化されるに至り、広面積での栽培が行われた伝統ある栽培植物である。ハッカはメグサとも呼ばれ、わが国及び中国において古くから薬用とされていた。『新修本草』に収録されるがその薬能は「駆風、傷寒に発汗す。寒気、心腹脹満、霍乱、宿食不消化、下気・・」と記載されている。
東亜温帯一般に分布、本邦各地に自生し、栽培される多年生草本で、全株に強い芳香がある。高さ20~80cm。8~10月頃、葉の腋に輪状に多数の唇形花を輪散花序に着生する。収穫は精油含量が最も多くなる開花期とする。我が国での栽培は各地に広がり、和産は優良品種として尊ばれ、世界市場まで進出したほどであったが、現在では中国からの供給に依存している状態である。刈り取った茎葉は直径10cm程度の束にし、風通しの良い所で陰干しして乾燥する。太い茎を出来るだけ除く。葉が緑色で、香気の強い新鮮なものが良品である。新潟県などで栽培される他、中国では長江以南の江蘇省、浙江省、湖南省、四川省、江西省などで生産される。
メントールは鎮痛、かゆみ止め、防腐、殺菌などの効果を示し、内用、外用ともに医薬、売薬用としてその用途は広い。