名 称
黄連 (オウレン)
Latin Name
Coptidis Rhizoma
基 原
キンポウゲ科オウレンなどの根茎
分 類
清熱薬
中 医 学
清熱燥湿・瀉火解毒
用 途 等
胸苦しくて動悸がする、嘔吐、下痢、腹部疼痛
薬理作用
中枢抑制作用(鎮静 運動抑制)・鎮痙作用(抗けいれん)・健胃作用・止瀉作用(下痢の抑制)・抗消化性潰瘍作用・血圧降下作用・動脈硬化予防作用・抗炎症作用・免疫賦活作用・抗菌作用
能書・説明
黄連 オウレン
多くの本草書に記載があり、薬用としての黄連は中国に始まる。わが国では古くから重要な薬物資源であり、丹波での畑栽培、越前の山地栽培が良く知られ、生産品としては群を抜いて良質な黄連を産出し、海外への輸出も多かった。特に丹波では天保11年城主和田日向守が現在の兵庫県山南町和田村付近で栽培させ、これに基づき大きな産地となっている。『大和本草』は「日本黄連性ヨシ故ニ中夏朝鮮ニモ日本ヨリ多クワタル中夏ノ書ニモ倭黄連ヲ良トス…」と言及し、和産の評価は高かったことが伺え古来からの使用経験から地道生薬の一つと考える。と共に下痢、嘔吐、腹痛を治し、諸の熱気を瀉し、出血を止める薬材として単独或いは両者を併用して用いられる。苦味健胃薬とするが、鎮静剤として興奮、不眠、鼻血、吐血、喀血、痔出血に止血作用として応用がある。胃腸薬の原料となり、胃弱、食欲不振、胃部・腹部膨満感、消化不良、食べすぎ、飲み過ぎ、胃のむかつきに利用され、又、方剤の中でその役割を果たす重要な要薬となり尊ばれる生薬である。根茎は多数の細根を出し、黄色で噛むと苦く、主根茎を“黄連”と称し薬用とする。2月頃の早春10cm位の花茎を出し、その上部に柄のある白色花を1~3個互生に付ける。植物の性質は冷涼適湿を適地とし、寒気には強く高温には弱い。近年、中国湖北省、四川省などから、同じ仲間の味連(鶏爪連)、雅連が輸入され使用されている。